任意整理の借金減額は半額!会社や家族にはバレない
ナツメ@破産百科です。
任意整理の最大のデメリットは借金減額の効果が低いことです。
自己破産なら免責で全額免除、個人再生なら1/5まで債務を圧縮できます。
任意整理は半額〜1/3程度となっています。
任意整理の最大のメリットは自由度が高いことです。
友人の借金を優先的に返済したり、保証人に迷惑をかけないことも出来ます。
また、裁判所に出頭することもないので、
平日に会社を休んで怪しまれることもありません。
もちろん、自宅や車も処分の必要がなく財産を守れます。
任意整理のメリット・デメリットの比較
任意整理のメリットとデメリットを表にしました。
メリット | デメリット |
---|---|
借金減額(金利・遅延損害金の免除、元本の減額) | ブラックリストに登録される(5年以上) |
人間関係を守れる(会社・家族にバレない、友人・保証人に迷惑をかけない) | 債務の減額効果が低い(半額〜1/3程度) |
財産・収入を守れる(自宅・車の所持、資格・職業制限なし) | 任意整理に応じない業者がいる |
任意整理のデメリット
任意整理のデメリットは3つあります。
- ブラックリストに登録される
- 債務の減額効果が低い
- 任意整理に応じない業者の存在
それぞれに解説していきます。
ブラックリストに登録される
任意整理すると一部の信用情報機関に異動情報として登録されます。
いわゆるブラックリスト登録です。
登録期間が5年間なのが、
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 日本信用情報機構(JICC)
です。
登録されないのが、
- シー・アイ・シー(CIC)
となっています。
ブラックリストには債務の完済から5年間登録されます。
任意整理は原則3年間(36回)で支払うので合計8年です。
そのため、新規の借り入れは原則8年出来ない計算になります。
登録期間が最大で10年の自己破産よりは少なくなっています。
ブラックリストの登録期間と解除方法についてまとめました。
⇒ ブラックリストのデメリットと解除する方法
ただし、2017年現在は超低金利で人口減少の時代です。
市中銀行は日本銀行(中央銀行)にマイナス金利で預金しています。
(預けているだけでお金が減っていく。)
その上、人口減少のため新規の貸出件数が伸びないので焦っています。
そのため、任意整理の対象外にしたカードが使えることもあります。
新規でキャッシングやクレジットカードの申し込みをして
審査に通ったという話もあります。
もちろん、原則的には与信審査で弾かれます。
手持ちのカードも途上与信で解約されます。
ちなみに自己破産した私にも更新されたクレジットカードが届きました。
⇒ ブラックリストなのにクレジットカードが届いた
債務の減額効果が低い
自己破産や個人再生に比べると債務を減額する効果は低くなっています。
自己破産は免責になるので全額免除、
個人再生は債務を1/5に圧縮して残りは免除します。
債務総額や債権者数、支払い能力にもよりますが、
半額から1/3程度に減額できるケースが多くなっています。
減額した債務を3年間(36回)で支払えることが
任意整理出来るかどうかの分かれ目です。
そのため、任意整理では支払い能力は重要です。
安定した収入がないと金融業者は任意整理に応じないことがあります。
パートをしている主婦でもアルバイト、
派遣社員でも年金生活者でも安定していれば大丈夫です。
自営業でも支払い能力を証明すると任意整理が可能になります。
確定申告書の控えや納税証明書で証明します。
収入が安定していない、または無職の場合、
自己破産か個人再生を選ぶことになります。
ただし、任意整理は相手方との交渉次第なので一概には言えません。
任意整理を拒否する業者の存在
方針として任意整理に応じない業者もいます。
経営状態の悪化している貸金業者は全額返済を求めてきます。
金融業者も相次ぐ過払い金の請求や新規貸出件数の減少で資金難に陥っています。
ただし、このような業者を除外して任意整理することは可能です。
もしくは自己破産か個人再生を選ぶことも出来ます。
任意整理のメリット
任意整理のメリットは大きく分けて3つあります。
- 借金減額(金利・遅延損害金の免除、元本の減額)
- 人間関係を守れる(会社・家族にバレない、友人・保証人に迷惑をかけない)
- 財産・収入を守れる(自宅・車の所持、資格・職業制限なし)
それぞれ解説していきます。
借金減額
利息の免除
任意整理の話し合いをして合意した債務総額に対して金利がかかることはありません。
これを「将来の利息は免除する」といいます。
元本のみの支払いとなるため債務総額が減少します。
このため、毎月の支払いが楽になります。
完済も早くなるので精神的にも安心できます。
遅延損害金の免除
今まで借金を滞納していた場合は遅延損害金が発生しています。
この遅延損害金の支払いは免除されます。
そのため、債務総額が減るので返済が楽になります。
元本の減額
利息や遅延損害金だけでなく、
借金の元本部分をカット出来る場合があります。
元本をどの程度減らせるかは債務総額や金融業者によります。
おおむね半額から1/3という事例があります。
この元本が減らせるかどうかは時期にもよります。
弁護士の腕次第という側面もあります。
元本の大幅な減少により生活再建が容易になるので、
ぜひ借金減額にチャレンジすることをオススメします。
無料で債務整理専門の弁護士に借金減額の相談が出来ます。
⇒ 債務整理専門の弁護士と借金減額診断サイト
過払い金の返還
任意整理でも他の債務整理と同様に、
過払い金の返還の可能性を探ります。
金融業者から取引履歴を取り寄せて
利息制限法の引き直し計算をします。
法定金利で計算し直したら過払い金が発生していることがあります。
その場合は過払い金の返還請求が出来るので、
借金の大幅な減額、または債務が消滅して現金が手に入ることもあります。
人間関係を守る
裁判所の不使用
任意整理では裁判所は使いません。
あくまで「私的な話し合い」なので裁判所に出頭するという、
面倒なことはありません。
そのため、平日に会社を休むことはありません。
休暇の申請で会社に怪しまれることもありません。
整理する借金を選べる
一部の債権者だけ借金を整理することが出来ます。
友人や知人の借金だけ優先的に返せるので人間関係を壊す心配はありません。
また、保証人に迷惑をかけないことも可能です。
保証人がいる場合、その債務について任意整理しない選択肢があります。
官報公告がない
自己破産や個人再生と違って官報に公告されることはありません。
官報を閲覧する人は限られていますが、名前や住所が出ないので安心出来ます。
もちろん、会社や家族にバレることもありません。
財産・収入を守れる
自宅・車を所持できる
自宅や車を処分する必要はありません。
ローンを組んでいても抵当権を実行される心配はありません。
あくまで任意に選択した債務だけ整理できます。
職業制限がない
自己破産と違って任意整理しても職業制限と資格制限はありません。
そのため、生命保険の外務員(募集人)や警備員は
自己破産よりも任意整理のほうがオススメです。
その他のメリット
取り立てが止まる
督促(取り立て)は弁護士に相談した時点で止まります。
債務整理を弁護士に依頼すると受任通知を発送してくれます。
この受任通知を受け取った金融業者は直接取り立てることが出来なくなります。
費用が安い
弁護士費用は自己破産や個人再生よりも安価になっています。
また、裁判所を使わないので裁判所費用はありません。
⇒ 任意整理の費用、弁護士費用はいくらなのか?
時間がかからない
任意整理は2か月〜半年程度で終わります。
半年〜1年かかる自己破産や個人再生よりも短くなっています。
任意整理の誤解
任意整理や債務整理で誤解されていることを列挙します。
嘘の噂が出回って信じられていることもあるので注意が必要です。
- 戸籍には載りません
- 選挙権はなくなりません
- 会社を解雇されません
- 結婚に影響はありません
任意整理に向いている人
上記のデメリットとメリットを踏まえた上で、
任意整理をすることがオススメな人を列挙します。
- 自宅・車などの財産を守りたい人
- 継続した安定収入のある人(バイトでも)
- 家族や会社にバレたくない人
- 友人に借金しているが友人関係を守りたい人
- 保証人に迷惑をかけたくない人
オススメ記事