自己破産が家族にバレる原因があるので対策をとること
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ナツメ@破産百科です。
私が自己破産したときに一番気になったことは、
「同居の家族にバレるのではないか?」
ということです。
自己破産するなんて人間失格だと思っていたし、
お金を返せないことに罪悪感も感じていました。
そのため、親に知られたら
- 家を追い出される。雪がちらつく真冬に文無しで追い出されたらキツイ
- 親子の縁を切られる。お金もない上に天涯孤独で頼れる人もいなくなるとツライ
と思っていました。
自己破産について調べていくと
破産してもも問題がないことが分かってきました。
しかし、家族にデメリットやリスクがないことを説明しても
理解されるとは限りません。
親の心の中まで分からない。
だから、言ったらどうなるか分からない。
しかも、親の場合、感情論になったり話しを聞かなかったりします。
身内ならではの会話の成り立たなさがあります。
バレることはリスクでしかありません。
バレる原因があるので対策を取ったところ、
自己破産はバレませんでした。
家族に内緒にしておくことが出来ました。
重要なことは電話・郵便といったポイントを抑えることです。
ここでは、自己破産を家族にバレずに行う方法をお伝えします。
そして、どうしてもバレやすい4つの原因をまとめました。
自己破産は家族には関係がない
まず、自己破産は個人でするものです。
世帯ではありません。
そのため、親も家族も関係ありません。
家族の財産も守られます。
※家族と生計が同一なのか、同居なのかによってバレやすさが変わる。
家族と同居 | 家族と別居 | |
---|---|---|
生計が家族と同一 |
バレやすい |
バレにくい |
生計が家族と別 |
バレにくい |
バレない |
上記の表では、私は家族と同居ですが生計は別という扱いになります。
私の経験では自己破産で少額管財になりましたが、
バレそうなポイントがあったので、その対策をお伝えします。
弁護士には守秘義務があります
弁護士に自己破産の相談をして家族にバレることは絶対にありません。
私の弁護士もそうでしたが、
たいていの弁護士は「秘密にしてください」とお願いすると気を使ってくれるので、
自宅に郵便物を送ってきたり、家の固定電話に電話してくることはありません。
依頼人の利益を守るのが弁護士なので依頼人の秘密も守ろうとします。
それが依頼人の家族であっても口外しません。
弁護士法には守秘義務があります。
秘密を守らないと罰せられます。
※弁護士法23条
(秘密保持の権利及び義務)第23条 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
郵便物で家族に勘付かれる可能性があります
債権者からの郵便物で家族にバレる可能性がありますが、
弁護士に依頼するとバレる心配はなくなります。
銀行や消費者金融からの郵便物には
『重要なお知らせ』『督促』『要開封』
など赤字で書かれていることもあるので勘付かれやすいです。
しかし、これらの督促状は弁護士が受任通知を発送すると、
あなたに直接届くことはなくなります。
法テラスを利用する場合は審査があるので、
審査に通ってから契約して受任通知を送ることになります。
そのため、審査中は郵便物が自宅に届いてしまいます。
家族よりも早く郵便物をチェックして
債権者からの郵便物を確保する必要があります。
債権者から督促の電話がかかってくる
消費者金融や銀行は借金の返済を促すために、
何度も電話をかけてきます。
いわゆる「取り立て」や「督促」と呼ばれる行為です。
この電話での督促は、
自宅に電話がかかってくるので家族にバレやすいです。
電話番号を変更する
そこで自宅の固定電話への督促を防止するために、
クレジットカード会社や銀行に登録した電話番号を携帯電話に変更しておきます。
多くの銀行やクレジットカード会社はインターネットから
管理画面にログイン出来るようになっています。
延滞や支払停止にしてからでもログインは出来るので、
電話番号の変更をオススメします。
また、クレジットカードやローンカードの裏面には
カード会社の電話番号が書いてあります。
その番号はユーザーデスクやお客様センターの番号なので、
督促する部署ではありません。
そのため抵抗なく電話番号を携帯電話に変更できます。
相手は強く出れない
貸金業者が督促電話をかけるときは、かなり気を使っているものです。
個人情報保護やコンプライアンスの観点から
お客さん=債務者の秘密を守ろうとします。
銀行にせよ消費者金融にせよ、上場企業なので法律は守ります。
法律や金融庁の指導を守らないと、株価が下がる、上場廃止になる、
行政指導の対象になる、などという不利益があるので法律は必ず守ります。
仕事なので嫌がらせ目的でベラベラと秘密をバラすこともないです。
お金を貸しているのは担当者ではなくて、その会社そのものです。
担当者がの懐が痛むわけではないので、ムカついて秘密をバラすことはありません。
管財事件の場合は破産管財人から郵便が届く
自己破産の処理が同時廃止ではなくて、
管財事件になってしまった場合は注意が必要です。
管財人からの郵便物はでかでかと管財人発信と書かれています。
法律事務所の名前も入っているので非常にバレやすいです。
ただし努力することによって秘密を守れる可能性はあります。
郵便物のチェックをマメにすることです。
郵便局員がいつも配達する時間を調べておき、
家族よりも早く郵便物をチェックすることです。
なお、管財人からの郵便物は郵便局留めには出来ません。
ちなみに管財人は弁護士が担当しますが、自分の味方というわけではありません。
裁判所から依頼を受けて破産の申し立てをした人をチェックするのが仕事です。
ことさらに敵対しているわけでもないのですが、
必要以上に協力してくれるとは限りません。
自己破産が家族にバレる原因とバレないで内緒に出来る方法
自己破産が家族にバレるのは原因があるからです。
ほとんどのケースでバレないように対策可能なので
事前準備をしておくとバレずに内緒に出来ます。
官報に掲載される
官報から家族にバレることはありません。
自己破産すると官報という国の広報誌に掲載されます。
掲載されることを官報公告といい、
- 破産開始の決定
- 免責許可の決定
の2回掲載されます。
掲載されるのは破産者の氏名です。
この官報の存在を知っている人は多くありません。
官報を閲覧出来る場所も知られていません。
そのため、官報が家族に見られて自己破産がバレることはありません。
破産者名簿への搭載
破産者名簿から家族にバレることはありません。
旧制の破産法では破産者名簿への搭載が義務付けられていました。
この破産者名簿は一般への公開はされていませんでした。
また、東京都では名簿への掲載を省略していました。
しかし、平成17年に破産法が改正されて、破産者名簿の取り扱いが変わりました。
免責許可の決定が出た場合は破産者名簿へは搭載しないことになりました。
そのため、破産者名簿に掲載されて
家族にバレる心配はありません。
消費者金融とヤミ金からのDM、封筒、チラシ
金融業者からのDMで家族にバレることはありません。
官報を見てチラシを送ってくる会社もあります。
自己破産経験者は気軽に借金する傾向にあるので、
金融業者は勧誘のチラシを送ってきます。
この勧誘のチラシは地味な封筒で送ってくるので
DMから家族に自己破産がバレることはありません。
家族が保証人になっている
家族があなたの保証人になっていると
残念ながら自己破産はバレてしまいます。
自己破産を申し立てると
債権者は保証人に残債を請求します。
保証人には残債の支払い義務があります。
そのため、自己破産すると保証人に連絡が行きます。
家族が保証人の場合はこの連絡で自己破産の事実がバレます。
ちなみに、連帯保証人でも通常の保証人でも同じです。
自動車は引き揚げられる、または換価処分される
自動車を所有している場合は注意が必要です。
ローン返済中の自動車
まず、自動車にローンが付いてる場合は
ローン会社に引き揚げを要求されます。
車の所有権はローン会社にあるので
ローンが払えないと分かった時点で
ローン会社に車を返す必要があります。
これは破産手続きに関係なく優先的に返還します。
※法律的には別除権として扱われる先取特権となっています。
担保の付いた自動車を返還することは
他の債権者への返済よりも優先します。
自己所有の自動車
また、ローンが付いていない車の場合は換価処分の対象となります。
自己破産では20万円以上の財産は債権者に配当します。
車の査定額が20万円以上の場合は売却することになります。
このように自動車は自己破産すると失うことになります。
いきなり車がなくなったら家族に怪しまれる可能性があります。
そのため、20万円以下の中古車に買い換えておくなど対策をとる必要があります。
債権者からの郵便と電話、受任通知
債権者からの督促の電話や郵便でで家族にバレることはありません。
自己破産を弁護士に依頼すると受任通知を債権者に送ります。
受任通知を受け取った債権者は直接債務者に督促することが出来なくなります。
(貸金業法21条1項9号)
※貸金業法21条1項9号
(取立て行為の規制)第21条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
9 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法 人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
このように電話・訪問・手紙・封書・FAX・電報・訪問といった
あらゆる手段で直接返済を要求することを固く禁じています。
このため、債権者からの郵便は届きません。
電話もかかってきません。
全て弁護士行きになります。
そのため、債権者からの督促でバレることはありません。
裁判所からの通知
裁判所からの郵便物でバレることはありません。
弁護士に依頼すると裁判所からの通知は全て弁護士事務所行きになります。
弁護士が代理人になるので連絡もすべて弁護士がします。
弁護士に依頼しない場合、裁判所からの通知は自宅に届きます。
そのため、自己破産の手続きを弁護士に依頼すると
裁判所からの通知でバレることはありません。
家族からお金を借りている場合
家族からの借金があるとバレる可能性があります。
原則として家族が債権者になるので、
債権者一覧表に家族の名前を書きます。
受任通知は債権者全員に送るので、
それでバレてしまいます。
しかし、バレない方法もあります。
実務上は家族からの借金ではなく
贈与を受けた扱いにすることで債権者一覧表から外すことが出来ます。
また、家族からの借金が現金払いで
通帳に記載されていないこともあります。
通帳からは借金の事実は分かりません。
しかし、収入と支出と突合して調べると
支出のほうが明らかに多くなってしまいます。
詳細不明の収入・入金があるのではないかと疑われます。
そのため、こういった事情も全て担当弁護士に説明することをオススメします。
家族に内緒にしながら自己破産する方法を考えてくれます。
こちらの弁護士事務所では郵送物も局留めにできるので、
家族にバレずに手続きすることが可能です。
⇒ 弁護士法人・天音総合法律事務所
家族にお金を貸してる、または仕送りしてる
家族にお金を貸していたり仕送りしている場合は
工夫するとバレなくなります。
仕送りもお金を貸すのも否認権の対象になります。
資産を移転しているので管財人が回収して債権者に配当します。
これは下手すると資産隠し扱いで免責不許可になることもあります。
ただ、仕送りは悪気があってやっているわけではないので、
誠実に説明すれば免責許可が下ります。
家族にバレないためには、仕送りや貸したお金と同額を破産財団に積み立てます。
破産管財人は家族から直接回収しなくても
金額が釣り合えば問題ないと考えます。
あくまで債権者への配当が目的なので
どこからお金を回収するのかは大きな問題ではありません。
自分から破産財団に積み立てれば家族に連絡が行くこともありません。
裁判所に行く必要がある
自己破産では最低1回は地方裁判所に出向く必要があります。
出廷するのは免責審尋と債権者集会です。
この2つは同日に裁判所で行います。
平日なので有給を取ることをオススメします。
たった1回なので怪しまれることもバレることもありません。
家族の給与明細、源泉徴収を弁護士へ提出
家族の給与明細や源泉徴収票を弁護士に求められる場合があります。
これでバレる可能性はあります。
家族と同居で生計が同一の場合は
世帯単位の家計を見る必要があります。
また、大阪・名古屋地裁では同居家族の収入証明を必須とする運用をしています。
バレないためには隠れてコピーして提出する方法があります。
※家族の収入証明が必要な条件
家族と同居 | 家族と別居 | |
---|---|---|
生計が同一 |
・家族の収入証明が必須 |
・家族の収入証明は不要 |
生計が別 |
・家族の収入証明は原則不要 |
・家族の収入証明は不要 |
住宅ローン、持ち家
住宅ローンの付いた自宅や持ち家がある場合は高い確率でバレます。
自己破産すると住宅ローンの付いた自宅は売却になります。
担保権を実行されて自宅を失うことになります。
ローンのない自宅も任意売却か競売となります。
自宅を失い引っ越しを余儀なくされるので家族にバレます。
しかし、売却した家に住み続ける手段があります。
ハウス・リースバックという売却した自宅を賃貸することで
そのまま住み続ける方法があります。
ちなみに、家族の所有する住宅は売却対象にはなりません。
自己破産はあくまで個人でするものなので家族の財産は関係ありません。
資産の処分・換価、破産財団行き
自動車や自宅以外の高額な財産がある場合もバレやすいです。
基本的に20万円以上の財産は換価対象となります。
自宅にある高額な財産がいきなりなくなったら怪しまれます。
自己破産で財産の換価基準について詳しくまとめました。
⇒ 自由財産の範囲と自由財産の拡張、財産の換価基準
夫婦別産制
結婚している夫婦の場合は注意点があります。
夫婦の場合、どちらか片方が自己破産しても
配偶者の財産まで失うことはありません。
結婚前でも結婚後も自分で得た財産は自分のものになるという
「夫婦別産制」の仕組みがあるからです。
ただし、これは財産の区別がはっきりしている場合です。
夫婦の財産を同じ通帳で管理しているなど
区別がはっきりしないと共有財産とみなされます。
共有財産の場合は自己破産によって失う可能性があります。
自己破産が家族にバレやすい原因のまとめ
自己破産しても工夫次第で家族にバレることを防ぐことが出来ます。
しかし、どうしてもバレてしまう原因が4つあります。
- 家族が保証人になっている場合
- 生計を同一とする同居家族がいる場合
- 住宅ローンを組んでいる、自己所有の持ち家がある場合
- 高額で目立つ財産がある場合
このようにな場合は家族に秘密にすることは難しいと言えます。
裏を返せば上記の原因がなければバレません。
もし、バレる原因があっても腕のいい弁護士なら秘密にすることも出来ます。
債務整理には個人再生や任意整理もあるので
弁護士の腕次第では方針転換してバレずに済むケースがあります。
こちらの弁護士事務所では郵送物も局留めにできるので、
家族にバレずに手続きすることが可能です。
⇒ 弁護士法人・天音総合法律事務所
自己破産が家族にバレたらどうなるか?
最後に自己破産が家族にバレたときにどうなってしまうのかをお伝えします。
私の場合は自分から家族に自己破産したことを伝えました。
管財人に支払う引継予納金の20万円のうち、
どうしても10万円だけ用意できなかったので、
両親に頭を下げて払ってもらったのです。
債権者集会までに予納金を全額用意できないと
免責審尋も延期になってしまいます。
当然、免責許可は下りません。
免責を目的として破産申立をしているので、
延期は何が何でも避けたかったのです。
自己破産の真っ最中なので借金するわけにもいきません。
すでにブラックリスト登録されているので貸してくれるところもありません。
今まで入念に準備してきてあと一息のとこです。
ここで免責にならなければ今までやってきたことが無駄になります。
結局、親にすべて説明して予納金の残り10万円を支払いました。
意外にも親は冷静でした。
自己破産という問題は大きいのですが、
- あと少しで免責が出るという解決の目処が立っていたこと
- 自己破産が家族に影響しないこと、本人のみの問題であること
- 迷惑がかからないこと
という理由をしっかりと説明したからです。
自己破産の免責確定から1年以上経っています。
今でも家族とは普通の関係です。
特に何も問題は起きていません。
破産前と同じです。
そのため、必要以上にバレることを恐れることもないです。
そうはいっても、親の心の中までは分からないので
十分にバレない準備はするほうがオススメです。
こちらの弁護士事務所では郵送物も局留めにできるので、
家族にバレずに手続きすることが可能です。
⇒ 弁護士法人・天音総合法律事務所
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