借金の詳細が不明な場合

借金が総額いくらで誰に借りてるのか分からないときは?

破産者・Jです。

 

以前、債務整理で初めて弁護士に相談するときの注意点を解説しました。
債務整理の方針を決定するために負債状況を説明するという内容でした。
⇒ 弁護士に債務整理の相談をするときの注意点

 

ただし、色々な業者から借金をしていると記憶が曖昧になってしまうこともあります。
また、借金の記録を完璧に残していないことも多々あります。

 

そうであっても弁護士は債権者に取引履歴の開示請求を行って、
依頼人からの説明を補ってくれます。

 

そのため、借金の総額や借入期間が分からなくても悲観する必要はありません。

 

 

開示請求の法的根拠

貸金業法19条によると取引履歴について帳簿を付けて保管する義務があります。
また依頼人の代理人である弁護士は閲覧とコピーを請求する権利があります。

(帳簿の備付け) 
第十九条  貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、債務者ごとに貸付けの契約について契約年月日、貸付けの金額、受領金額その他内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(帳簿の閲覧) 
第十九条の二  債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行つた者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。

 

 

開示に応じない業者もいる

開示請求に応じない企業もいます。
これは無名な会社だけでなく有名な大手企業でも、
または上場企業だったとしても開示請求に応じないケースがあります。

 

開示請求に応じない例として、一部分だけ開示したり、
大幅に遅れてから開示したり、酷い時はまったく開示しないこともあります。

 

悪質なケースとして取引履歴の改ざんもあります。

  • アコムが700件近い貸付金額を水増しして開示していたケース(平成15年6月)
  • ポケットバンク(三洋信販)の社員が56件の過払い金訴訟で社内文書を偽造して業務停止になったケース(平成15年4月〜平成21年7月)

 

他のケースとしては取引履歴の隠蔽があります。

  • 三菱UFJニコスがかつて存在しないと主張していた取引履歴を「発見した」と報告したケース(平成19年11月)

取引履歴が存在しないと主張して過払い金の返還を免れようとしたのですが、
バレそうになったため急きょ取引履歴を「発見した」ことにしたと考えられます。

 

 

開示に応じない原因

かつて消費者金融の大手に武富士という会社がありました。
武富士は過払い金の返還に耐えられずに、負債4300億円余りで倒産しました。
他の原因として貸金業法の改正で総量規制が始まったことも経営にダメージを与えました。

 

このように過払い金の返還で大手企業といえど潰れるのです。

 

過酷な経営状態に陥っている消費者金融は会社ぐるみで過払い金対策を取ろうとする可能性があります。
そのため過払い金の根拠となる取引履歴の開示請求に応じないことがあるのです。
また、担当者がノルマに追われて犯行に至ったというケースもあります。

 

 

取引履歴の保存期間が過ぎている場合

取引履歴には保存期間があります。
最後の返済日から10年間の保存義務があります。
また完済している場合は完済日から10年間の保存義務があります。

 

逆に言えば10年より前の取引履歴に保存義務はないことになります。

 

しかし、一般的に消費者金融にしろ銀行にしろ「お客さん」のデータは保持したがるものです。
顧客データは出来る限りたくさんあったほうがビジネスとして上手くいくからです。

 

その大切な顧客データを破棄しているとは考えづらく、
保存義務を過ぎていてもデータは廃棄していないと思われます。

 

そのため保存期間の過ぎている10年より前の借金であっても
開示請求をすれば取引履歴が出てきます。

 

 

違法行為に対する対処・制裁

開示請求を何度もしているのに応じない業者もいます。
その場合は金融機関の監督官庁である財務局に行政指導を促す申告をします。

 

ほとんどの消費者金融は是正勧告が出れば応じるものです。
貸金業は免許制なので監督官庁の指導に従わないと
業務停止命令を受けたり免許が剥奪されてしまいます。

 

こういった監督官庁とのやり取りも弁護士は慣れているので、
悪徳金融業者に対抗することが出来ます。

 

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