個人再生の手続きの流れと期間

コツは再生委員と債権者の同意を得ること、期間は9か月間〜

破産者・Jです。

 

個人再生手続き流れの要点は、再生計画を裁判所に認めてもらうために
個人再生委員や債権者の同意を得ることです。

 

そのために利害間関係者との複雑なやり取りが発生しますが、
実際は弁護士が全て代理となって行動します。

 

必要な書類を弁護士に指示されるので、
書類を集めて提出するだけで構いません。

 

東京地裁では個人再生委員との面談の必要があります。
裁判官の審尋がある場合は裁判所に出頭する必要があります。
面談と出頭は必ずしも必要になるわけではありません。
場合によっては書類の郵送だけで再生計画の認可決定まで進みます。

 

個人再生期間全体として9か月から11か月かかります。
これは民事再生法という法律で最低でも25週間かかるように決まっているためです。

 

 

個人再生の手続きの流れ

個人再生には小規模個人再生給与所得者等再生の2つの手続きがありますが、
どちらの手続きでも基本的な流れは同じです。

  1. 弁護士に初回相談
  2. 弁護士と委任契約
  3. 受任通知の発送・取引履歴の開示請求
  4. 引き直し計算・過払い金の請求

個人再生手続きはここから

  1. 申し立ての準備
  2. 申立書の作成と手続きの選択
  3. 個人再生の申し立て・裁判官による審尋
  4. 個人再生委員の選任(東京)
  5. 個人再生委員の面談(東京)
  6. 履行可能テスト(東京)
  7. 再生手続開始決定
  8. 債権届出・債権管理
  9. 債権認否一覧表・報告書の提出
  10. 異議の申述・評価申し立て
  11. 再生計画案の作成と提出
  12. 再生計画案の書面による決議(意見聴取)
  13. 再生計画認可決定
  14. 再生計画認可決定の確定
  15. 返済開始

 

弁護士に初回相談

まず、弁護士に初めて債務整理の相談をすると、
相談者の状況から手続きの方針を決定します。
この決定は仮のものであり後から変更されることがあります。

 

方針選択に必要な情報は借金の総額と債権者の数、返済年数などになります。

 

今回は個人再生の手続きの方針として進めます。

 

なお、弁護士に相談した日から借金の返済は停止します。
そのため、弁護士に相談するだけで生活が楽になります。

住宅ローンの返済だけ継続します。
後述の住宅ローン特則を利用する可能性があるからです。
また、住宅ローンの延滞がある場合は優先して返済することをオススメします。

 

弁護士と委任契約

個人再生の手続き代行を弁護士に依頼する場合は、
弁護士と委任契約を結びます。

 

契約には印鑑と身分証が必要です。

 

受任通知の発送・取引履歴の開示請求

受任通知の発送

弁護士から貸金業者に受任通知を送ります。
この受任通知を受け取った業者は直接取り立てをすることが出来なくなります。
そのため、電話や手紙での督促がなくなります。
多くの弁護士は相談した即日に受任通知を送ってくれます。

 

受任通知の送り先を確定させるために、
貸金業者の名称や連絡先などを準備します。
消費者金融のカード類は弁護士に提出します。

 

取引履歴の開示請求

受任通知の発送と同時に、金融業者に取引履歴の開示請求をします。
個人再生計画を認可されるには正確な債務の把握は必須となります。

 

この取引履歴の開示には協力的な業者とそうでない業者がいます。
交渉を長引かせるために取引履歴の開示を意図的に遅らせる業者もいます。
取引履歴はおおむね1か月から2か月で開示されます。

 

引き直し計算・過払い金の請求

引き直し計算

開示された取引履歴の引き直し計算をします。
利息制限法に基づいた法定金利で引き直し計算をします。
法定金利は年率15-20%となっています。

 

過払い金の請求

過払い金が存在する場合
引き直し計算で過払い金の存在が判明したら
返金を貸金業者に請求します。

 

過払い金について詳しくはコチラ
⇒ 過払い金請求の流れと期間、返還請求から返金まで

 

個人再生の手続きはここから

申し立ての準備

個人再生の申し立てのために家計と資産の状態を調べます。

 

家計(収入と支出)が分かるように家計簿を作成して提出します。
収入の証拠としてサラリーマンは源泉徴収票や給与明細、
自営業は確定申告書の控えや課税証明書などを提出します。

 

支出については不動産の賃貸借契約書、通帳の入出金記録などを提出します。
また、資産状況を説明するために預金通帳、生命保険証券、
車検証、不動産登記簿謄本などを準備します。

 

これらの資料をもとに弁護士が申立書を作成していきます。
必要な書類さえ集まれば弁護士が全て代理で作成してくれます。

 

申立書の作成と手続きの選択

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの手続きがあります。
取引履歴から判明した債務総額、家計の状況、資産などから、
どちらの手続きを選択するのか決定します。
また、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の利用を検討します。

 

このように弁護士は各種の調査と依頼人の聞き取りから申立書を作成していきます。

 

相談者がすることは弁護士から指示された書類を集めて提出するだけとなっています。

 

個人再生の申し立て・裁判官による審尋

個人再生の申し立て

個人再生の申し立ては居住地の地方裁判所に対して行います。
住民票のある場所ではなく現に住んでいる場所が優先されます。

 

また、地方裁判所で法廷代理人になれるのは弁護士だけです。
司法書士の代理権は簡易裁判所だけとなっています。
そのため、個人再生の場合は弁護士に依頼することをオススメします。

 

申し立てには裁判所に支払う費用が必要です。
弁護士費用とは別に必要となってきます。

申立手数料 1万円(収入印紙で支払います。)
官報公告費 約13,000円(各裁判所によって多少変動します。)
郵便代 予納郵券2,000〜3,000円程度(債権者の数で変動します。)
合計 約25,000〜26,000円程度

合計金額を代理人弁護士に実費として支払います。

 

裁判官による審尋

申し立て書類に不明点があれば裁判官による審尋が行われます。
審尋は再生債務者が裁判所へ出頭する必要があります。

 

審尋は行われないこともあります。
その一方で2回、3回と審尋が行われることもあります。

審尋は地方裁判所によって扱いが大きく異なります。
担当弁護士に確認することをオススメします。

 

個人再生委員の選任(東京地裁)

個人再生委員とは、再生計画案の作成を指導して個人再生手続きを監督する人です。
裁判所から弁護士が選任されて再生委員になります。
東京地裁では即日で選任されます。

 

しかし、東京地裁以外の全国の裁判所では、
個人再生の申し立てを弁護士が代理で行う場合は再生委員が選任されません。

 

東京以外で弁護士に依頼せずに個人で申し立てを行う場合、
個人再生委員が選任されます。
※司法書士へ書類作成を依頼した場合も個人扱いになります。

 

再生委員が選任されると余計な費用がかかってしまいます。
そのため、弁護士に申し立てを代行してもらうことをオススメします。
東京地裁でも弁護士が申し立てると15万円です。個人の申し立てより10万円安くなっています。

 

⇒ 個人再生の費用はいくら?弁護士費用の相場と実例

 

個人再生委員の面談(東京地裁)

再生委員に選任された弁護士の事務所で面談を行います。

 

面談では申立書の確認と不明点の調査をされます。
特に借金の内容や借金した理由、今後の返済の見込みなどが重要になってきます。
代理人弁護士が同席するので過剰に心配する必要はありません。

 

面談は30分から1時間程度です。

 

  全国の裁判所(東京以外) 東京地方裁判所
再生委員との面談 不要 必要

 

履行可能テスト(東京地裁)

東京地裁では再生計画の認可後の返済が出来るかどうか、
その見込みを試す運用がなされています。
この運用を履行可能テストといいます。
このテストでは再生計画案で返済する予定の金額を再生委員へ支払います。
履行可能テストは6か月間です。
6か月間が過ぎれば再生委員への報酬を控除して残金は返金されます。
再生委員への報酬は弁護士が申し立てると15万円となります。
⇒ 個人再生の費用はいくら?弁護士費用の相場と実例

 

再生手続開始決定

申立書に不備がなければ申し立てから4週間以内に
個人再生の手続きの開始決定されます。

 

再生委員が選任されている場合は、再生委員から意見書が裁判所に提出されます。
その意見書に基いて手続き開始が妥当と判断されれば開始決定されます。

 

債権届出・債権管理

再生手続の開始決定は債権者にも特別送達で送られます。
特別送達を受けて金融業者は個別に主張する借金額を代理人弁護士に通知します。
この通知を債権届出といいます。

 

債権届出の管理は代理人弁護士が行うので、
再生債務者は特にすることはありません。

 

債権認否一覧表・報告書の提出

金融業者から提出された債権届出に記載されている金額を
認めるかどうかの判断をします。
この認否の判断を一覧表にしたものが債権者認否一覧表です。

 

また、資産状況について申し立ての時点から変更があれば報告書に記載します。

 

債権認否一覧表と報告書は裁判所に提出します。

 

異議の申述・評価申し立て

債権額に異議のある場合、一般異議申述期間に異議の申し立てが出来ます。
この異議に対して金融業者は裁判所に評価の申し立てをすることが出来ます。

 

再生計画案の作成と提出

再生債権額が明確になったので再生計画案を作成します。
再生計画案には債務総額、返済回数、返済方法などを計画します。
また、住宅ローン特則の利用も決定します。

 

作成した再生計画案は裁判所に提出します。
個人再生委員が選任されている場合は再生委員にも提出します。

 

再生計画案の書面による決議・意見聴取

小規模個人再生では、裁判所から金融業者に再生計画案と議決書が郵送されます。
金融業者は回答書もしくは意見書を提出します。
このように書面での決議が行われます。

 

給与所得者等再生では金融業者の決議はありません。
代わりに意見聴取が行われます。

 

このように実際に債権者と顔を突き合わせて議論するわけではありません。
そのため、心理的なハードルは低いと言えます。

 

再生計画認可決定

小規模個人再生の場合は「反対意見を出さない」という消極的同意が必要になります。
この同意には2つのハードルがあります。

  1. 消極的同意の数が過半数を超えていること
  2. 同意された債権額が過半数を超えていること

 

そして、個人再生委員からは意見書が提出されます。

 

ここまでの債権者と再生委員の意見を踏まえて、
最終的な認可の決定は裁判所が行います。

 

ここで上記の利害関係者の同意を得られるかどうかが
再生計画の認可にとって極めて重要です。

 

再生計画認可決定の確定

再生計画の認可から約1か月後に認可は確定します。
確定されると再生計画は有効になります。

 

返済開始

再生計画の認可決定が確定した翌月から返済を開始します。

 

 

個人再生にかかる期間

個人再生の期間を表にまとめました。

 

再生委員が選任される東京地裁と
他の裁判所で期間に違いはありません。

 

全体として9か月から11か月かかります。

 

申し立てから認可の決定までは25週間かかります。(6か月と1週間)
これは民事再生法で決まっています。

 

  全国の地裁(東京以外) 東京地裁
弁護士に初回相談 1日 1日
弁護士と委任契約 1日 1日
受任通知の発送/

取引履歴の開示請求

1日 1日
引き直し計算/過払い金の請求 1か月〜2か月 1か月〜2か月
申し立ての準備(書類収集) 1か月 1か月
申立書の作成と手続きの選択 1週間〜2週間 1週間〜2週間
個人再生の申し立て/

裁判官による審尋

1日 1日
個人再生委員の選任 不要 1日
個人再生委員の面談 不要 1日(申立から1〜2週間後)
履行可能テスト 不要 6ヶ月間(申立から1週間後)
再生手続開始決定 申立から1ヶ月後 申立から1か月後
債権届出/債権管理 (期限は申立から8週間) (期限は申立から8週間)
債権認否一覧表/報告書の提出 (期限は申立から10週間) (期限は申立から10週間)
異議の申述 (期限は申立から13週間) (期限は申立から13週間)
評価申し立て (期限は申立から16週間) (期限は申立から16週間)
再生計画案の作成と提出 (期限は申立から18週間) (期限は申立から18週間)
決議実施の決定 申立から20週目 申立から20週目

書面決議の回答書・意見書/
意見聴取

(期限は申立から22週間) (期限は申立から22週間)
再生計画認可決定 申立から25週目 申立から25週目
再生計画認可決定の確定 認可決定から4週間後 認可決定から4週間後
返済開始 確定の翌月から 確定の翌月から
合計 9か月〜11か月 9か月〜11か月

 

 

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