個人再生で車を残す方法

車は担保を外すことで引き上げを防止する

破産者・Jです。

 

個人再生の申立をするとローンを組んでいる車はローン会社に引き渡します。
引き揚げられる原因は担保権が設定されているからです。
そのため、担保権を外すことによって自動車の引き揚げを防止できます。

 

個人再生では自己破産と違って財産の換価処分はないため、
戦略的に資産の保全ができます。

 

 

車の所有権はローン会社にある

ローンを組んでいる自動車には通常、所有権留保の特約があります。
つまり、代金が完済されるまではローンを組んでいる会社に車の所有権があります。

 

個人再生の申立をするとローン契約は解除されて別除権(担保権)が実行されます。
つまり、ローン会社に車を引き揚げられてしまいます。(民事再生法53条2項)

 

※民事再生法53条

(別除権)
第53条 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法 若しくは会社法 の規定による留置権をいう。第三項において同じ。)を有する者は、その目的である財産について、別除権を有する。
2  別除権は、再生手続によらないで、行使することができる。
3  担保権の目的である財産が再生債務者等による任意売却その他の事由により再生債務者財産に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。

 

 

担保権を外す方法

このように担保権を設定されているため、
ローンの返済が出来ないと車を引き揚げられてしまいます。

 

車の引き揚げを予防するために、
個人再生の申立の前に担保権を外します。

 

所有権の変更(名義変更)

親・知人などがローン会社から車を買い取って所有権を変更します。
所有権が親・知人に変更されたので引き揚げはありません。
債務者は買取人と車の使用契約を結んで車を使用します。
この場合、ローン債務(担保権)は消滅します。

 

ローン契約者の変更(名義変更)

自動車ローンの契約者を債務者から親・知人に変更します。
車の引き揚げは個人再生の申立によって発生します。
親・知人が個人再生の申立をするわけではないので、
ローン契約者を親・知人に変更すると引き揚げを防止できます。
この場合、担保は親・知人がローン契約した車になります。

 

リース契約に変更

ローン契約をリース契約に変更します。
リース契約では賃借料を支払って車を使用します。
車の所有権はリース会社になりますが、
リース契約では通常、担保権の設定はしません。

 

担保権消滅の許可の申立

事業で車を使う場合は担保権消滅の許可の申立をします。(民事再生法148条)
車を継続的に使用することが事業継続に不可欠な場合、担保権を抹消できます。
個人タクシーや宅配弁当の運転手などの自営業者が該当します。

 

※民事再生法148条

(担保権消滅の許可等)
第148条 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき第五十三条第一項に規定する担保権(以下この条、次条及び第百五十二条において「担保権」という。)が存する場合において、当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。
2  前項の許可の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一  担保権の目的である財産の表示
二  前号の財産の価額
三  消滅すべき担保権の表示
四  前号の担保権によって担保される債権の額
3  第一項の許可の決定があった場合には、その裁判書を、前項の書面(以下この条及び次条において「申立書」という。)とともに、当該申立書に記載された同項第三号の担保権を有する者(以下この条から第百五十三条までにおいて「担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
4  第一項の許可の決定に対しては、担保権者は、即時抗告をすることができる。
5  前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
6  第二項第三号の担保権が根抵当権である場合において、根抵当権者が第三項の規定による送達を受けた時から二週間を経過したときは、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。
7  民法第三百九十八条の二十第二項 の規定は、第一項の許可の申立てが取り下げられ、又は同項の許可が取り消された場合について準用する。

 

共益債権として主張

車を仕事や通勤で使う場合は自動車ローンを共益債権として主張できます。

 

共益債権とは債権者全体の利益になる債権のことです。(民事再生法119条)
例えば、裁判所の申立費用や債務者の生活費、再生委員の費用などです。

 

車で通勤することで会社に行き給料が支払われます。
その給料で再生計画を履行します。

 

そのため、自動車ローンは債権者全体の共益的な債権といえます。

 

共益債権は再生手続とは無関係に返済します。(民事再生法121条)
また、他の再生債権よりも優先して返済します。

 

共益債権になると引き続き自動車ローンを返済することが出来ますが、
個人再生の債務の圧縮効果は見込めません。

 

※民事再生法119条

(共益債権となる請求権)
第119条 次に掲げる請求権は、共益債権とする。
一  再生債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権
二  再生手続開始後の再生債務者の業務、生活並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権
三  再生計画の遂行に関する費用の請求権(再生手続終了後に生じたものを除く。)
四  第六十一条第一項(第六十三条、第七十八条及び第八十三条第一項において準用する場合を含む。)、第九十条の二第五項、第九十一条第一項、第百十二条、第百十七条第四項及び第二百二十三条第九項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)の規定により支払うべき費用、報酬及び報償金の請求権
五  再生債務者財産に関し再生債務者等が再生手続開始後にした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権
六  事務管理又は不当利得により再生手続開始後に再生債務者に対して生じた請求権
七  再生債務者のために支出すべきやむを得ない費用の請求権で、再生手続開始後に生じたもの(前各号に掲げるものを除く。)

 

※民事再生法121条

(共益債権の取扱い)
第121条 共益債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。
2  共益債権は、再生債権に先立って、弁済する。
3  共益債権に基づき再生債務者の財産に対し強制執行又は仮差押えがされている場合において、その強制執行又は仮差押えが再生に著しい支障を及ぼし、かつ、再生債務者が他に換価の容易な財産を十分に有するときは、裁判所は、再生手続開始後において、再生債務者等の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、その強制執行又は仮差押えの中止又は取消しを命ずることができる。共益債権である共助対象外国租税の請求権に基づき再生債務者の財産に対し国税滞納処分の例によってする処分がされている場合におけるその処分の中止又は取消しについても、同様とする。
4  裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
5  第三項の規定による中止又は取消しの命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
6  前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

 

 

個人再生後の自動車ローン

個人再生の手続きをすると指定信用情報機関にブラックリスト登録されます。

 

そのため個人再生後にローンを組むことは難しくなりますが、
自動車ローンには例外があります。

 

割賦販売法の「個別クレジットに関する例外措置」を利用します。

 

自動車のような生活に必要とされる耐久消費財であれば、
比較的高額であってもローンを組む余地が残されています。

 

与信審査はより丁寧になりますが、
支払可能見込額を超える個別クレジット契約が利用できます。

 

 

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