自己破産すると海外旅行に行けない?破産手続き中の居住制限

旅行は裁判所の許可を取れば行けます。

破産者・Jです。

 

破産手続きの開始決定から債権者集会が終わるまで
破産者の生活には制限があります。(管財事件の場合)

 

特に海外旅行や引っ越しには裁判所の許可が必要です。
今回は自己破産手続き中の居住制限について解説します。

 

裁判所の許可を取らないと刑事事件のように警察が自宅まで来ます。

 

 

破産者に対する注意事項

自己破産の管財事件の場合、
破産申立から数カ月後に破産手続きが開始されます。

 

破産手続きの開始決定がなされると、
破産者の生活に制限があることが伝えられます。

 

それがこの「破産者に対する注意事項」です。
破産者に対する注意事項
※これは私が実際に自己破産したときに、
代理人弁護士から渡された注意事項の書類です。

 

破産者への注意事項の内容

破産者には以下の制限と義務があります。

  • 説明義務
  • 裁判所や破産管財人に対して説明する義務

  • 居住制限
  • 後述(今回は居住制限について解説します)

  • 管財人へ郵便物の転送・開封
  • 郵便物は破産管財人に転送されて内容を確認される

  • 協力義務と不法行為の禁止
  • 管財業務に協力する義務、財産隠匿や妨害行為の禁止

  • 必要に応じての引致
  • 居住制限や説明義務に違反すると強制的に出頭義務が発生

  • 出頭義務(債権者集会・免責審尋)
  • 定められた期日に裁判所に出頭する義務

 

この制限と義務は破産手続きの開始から
債権者集会が終わるまで続きます。

 

今回は居住制限について詳しく解説します。

 

 

海外旅行・引っ越し・出張など(居住制限)

破産者が引っ越しして住所を変更する場合は裁判所の許可が必要です。
また、海外旅行や出張などで住んでいる所を離れる場合も、
裁判所の許可が必要です。(破産法37条1項)

 

※破産法37条1項

(破産者の居住に係る制限)
第37条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。

 

許可を得る際には破産管財人の同意を得た上で、
書面で裁判所に許可を求めます。

 

裁判所によっては裁判所への許可は不要で
破産管財人への同意だけで十分とする運用もあります。

 

実務上、破産者としては代理人弁護士に連絡するだけで事足ります。
場所と期間と緊急連絡先を代理人弁護士に伝えます。

 

後は代理人弁護士が破産管財人や裁判所に連絡するので、
破産者としては許可を待つだけになります。

 

居住制限がある理由

旅行や引っ越しの制限には理由があります。

 

破産手続き中に破産者が行方不明になると
破産手続きが停滞してしまいます。

 

破産手続きは本来であれば、
財産を換価して債権者に配当する手続きです。

 

債権者の配当を受ける権利が
破産者の行方不明で不当に侵害されるわけにはいきません。

 

また、隠し財産を持って海外に逃亡することを
防ぐ意味合いもあります。

 

このような理由から、破産手続きには居住制限があります。

 

居住制限違反へのペナルティ

破産者が居住制限に違反するとペナルティがあります。(破産法252条1項11号)

 

※破産法252条1項11号

(免責許可の決定の要件等)
第252条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
十一  第四十条第一項第一号、第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。

 

裁判所の許可を得ない転居や旅行は免責不許可事由となります。
また、破産管財人の同意を得ていないことから
調査・協力義務に違反しています。

 

通常では居住制限に違反すると
まずは破産管財人から説明を求められます。

 

ここで説明義務を尽くさないと最悪の場合、
裁判所に引致されてしまうこともあります。

 

引致とは、裁判官が破産者を裁判所まで強制的に出頭させることです。
裁判官の発行する引致状には強制力があります。
出頭させるために警察官を破産者の自宅まで向かわせます。
(破産法38条)

 

※破産法38条

(破産者の引致)
第38条 裁判所は、必要と認めるときは、破産者の引致を命ずることができる。
2  破産手続開始の申立てがあったときは、裁判所は、破産手続開始の決定をする前でも、債務者の引致を命ずることができる。
3  前二項の規定による引致は、引致状を発してしなければならない。
4  第一項又は第二項の規定による引致を命ずる決定に対しては、破産者又は債務者は、即時抗告をすることができる。
5  刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)中勾引に関する規定は、第一項及び第二項の規定による引致について準用する。

 

破産法38条の5項の勾引とは一時的に身体を拘束することです。
つまり、刑事事件の逮捕・勾留とほとんど変わりません。

 

このように居住制限に違反すると
厳しいペナルティを課されます。

 

そのため、旅行や出張、または転居のような住所変更は
代理人弁護士とよく相談することをオススメします。

 

 

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