保険外交員が自己破産するとどうなるのか?

保険外交員が自己破産するとどうなるのか?仕事を辞めずに済む方法

破産者・Jです。

 

自己破産には一部の職業に制限があります。
生命保険の外交員が自己破産する場合、原則的には仕事を辞めなくてはいけません。

 

しかし、自己破産するために仕事を辞めたのでは本末転倒です。
生活再建のための債務整理なので、
仕事を辞めないで借金問題を解決する方法をお伝えします。

 

 

保険外交員と保険募集人とは?

生命保険会社や損害保険会社には保険の営業をする保険外交員がいます。
保険外交員が保険の募集という営業行為をするには保険募集人の資格が必要です。

 

この保険募集人には、

  1. 金融庁に登録する必要がある募集人
  2. 金融庁に登録しなくてもいい募集人

の2種類の募集人がいます。

 

金融庁に登録が必要な募集人を特定保険募集人といいます。(保険業法276条)
特定保険募集人として代表的なのは生命保険募集人です。
損害保険募集人は登録を必要としません。

 

※保険業法276条

(登録)
第276条 特定保険募集人(生命保険募集人、損害保険代理店又は少額短期保険募集人(特定少額短期保険募集人を除く。)をいう。以下同じ。)は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。

 

※上記の「損害保険代理店」とは損害保険「会社」です。
保険募集「人」のことではありません。

 

 

特定保険募集人は自己破産で資格を喪失する

保険外交員が保険募集人としての資格を喪失する条件は、
保険業法に定められています。(保険業法280条)

 

保険業法280条3項にによると「特定保険募集人が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該特定保険募集人の登録は、その効力を失う。」とあります。
また280条1項4号には「特定保険募集人である法人について破産手続開始の決定があったとき。」とあります。

 

そのため、破産手続開始の決定がなされたときに、
特定保険募集人としての登録が無効になります。

 

※保険業法280条

(変更等の届出等)
第280条 特定保険募集人が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  第二百七十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき。 当該変更に係る特定保険募集人
二  保険募集の業務を廃止したとき。 特定保険募集人であった個人又は特定保険募集人であった法人を代表する役員
三  特定保険募集人である個人が死亡したとき。 その相続人
四  特定保険募集人である法人について破産手続開始の決定があったとき。 その破産管財人
五  特定保険募集人である法人が合併(法人でない社団又は財団にあっては、合併に相当する行為。次号において同じ。)により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者
六  特定保険募集人である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散(法人でない社団又は財団にあっては、解散に相当する行為)をしたとき。 その清算人(法人でない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人であった者)
2  内閣総理大臣は、前項第一号に係る同項の届出を受理したときは、届出があった事項を生命保険募集人登録簿、損害保険代理店登録簿又は少額短期保険募集人登録簿に登録し、その旨を所属保険会社等に通知しなければならない。
3  特定保険募集人が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該特定保険募集人の登録は、その効力を失う。

 

また、自己破産の開始決定から廃止(終結)を経て復権を得るまでは、
保険募集人の登録は出来ません。(保険業法279条1項)

 

※保険業法279条1項

(登録の拒否)
第279条 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一  破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者

 

 

保険会社の対応

一般的に生命保険会社では破産開始の決定を解雇事由としています。
破産開始の官報公告で解雇することが通例です。

 

破産開始が特定保険募集人欠格事由となっているので、
保険外交員として採用した社員を破産を原因として解雇したとしても
それなりの正当性があると考えられています。

 

解雇権の濫用を根拠に労働基準監督署に訴え出ても
認められることは難しいと言わざる得ません。(労働契約法16条)

 

※労働契約法16条

(解雇)
第十六条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 

次善の策は?

「特定保険募集人は破産を原因として解雇される」
という事情を踏まえた上でベストな選択肢を検討します。

 

考えられる方法として、

  1. 解雇されるリスクを承知の上で働き続ける
  2. 個人再生や任意整理を検討する
  3. 会社に掛け合って配置転換してもらう
  4. 復権するまで休職する

などがあります。

 

1番は信義則に反しますしバレたら懲戒解雇も考えられるのでオススメできません。
2番の個人再生であれば債務を1/5まで圧縮できるので、保険外交員として働きながら債務整理できます。
3番は保険外交員以外の職種であれば資格も破産も関係ありません。
会社との関係性次第で可能なので上司や人事に相談すると良いかもしれません。
4番も会社との関係性次第です。

 

どの方法も仕事を辞めずに債務整理できます。(1番は多大なリスクあり)

 

 

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